会社設立のメリット・デメリット、手続き方法、注意点までを徹底解説

新規開業白書によれば、3人以下で起業される方は全体の71.2%、1人起業が38.4%と少人数での起業がトレンドとなっています。(2020年7月調査・開業時の従業者数より)もし、あなたが一人で(又は少人数で)起業することを決めた時に最初に迷うのが、「個人事業」と「会社設立」どちらを選んだらいいかということではないでしょうか。

そこで、本記事では会社設立について、以下の3点に分けてわかりやすく解説します。また、会社法の解説についても少し触れていきたいと思います。

1.会社設立のメリット・デメリット。
2.会社設立の手順と費用について。
3.会社設立する時の注意点。

会社設立のメリット・デメリット

会社設立の方法・手順会社設立の注意点会社設立のメリット・デメリット主なメリット・デメリットを簡単に見てみましょう。

メリット1:対外的な信用力。大企業では、未だに法人としか取引しない企業もあります。人材募集や、新規顧客への営業をする際に、会社設立されている方が信用力を得られやすいと言えます。

メリット2:税法上の利点を生かして節税ができる会社設立する上で大きなメリットとなるのが、税法上の利点が個人事業と違うところです。所得税と法人税の税率の差。経費の幅が増える。家族への給与。などを活かせば、法人化することによって節税ができます。

デメリット1:開設手続きや事務手続きが面倒個人事業主は開業届けを出すだけですみますが、会社設立には登記手続きが必要となること、設立後の経理作業などの事務的手続きが増えるなどが、手続きが面倒と言われる理由です。

デメリット2:個人事業と異なる税金や必要経費税法上の利点がある一方、例えば法人住民税は赤字でも支払う義務があったり、従業員がいる場合は社会保険料へ加入しなければならないため、給与と社会保険料を合わせた人件費の負担が大きいなどがあげられます。

会社設立の手順と費用について

個人事業は、開業届けを提出するだけで簡単に事業を始めることができますが、会社設立にはどのような手続きが必要なのでしょうか。費用はどのくらいかかるのかもみてみましょう。会社設立手続きは、専門家に依頼する、Web上のサービスを利用する、自分で手続きするなどの方法によって異なりますが、概略は以下のようになります。

step1:目的・商号・本店の所在地・資本金など登記書類に必要な情報をまとめる。
step:2定款を作成し、認証を受ける。
step:3出資金を入金し、法務局へ書類を提出する。
step4:会社設立に伴い、社会保険加入、国税・地方税を納めることになるため、それぞれの管轄先(年金事務所・税務署・都道府県税事務所)へ手続きをする。

上記の「登記」には、最低でも約20万円(定款認証5万円・謄本2千円・登録免許税15万円))程度が必要となります。株式会社であれば、資本金の準備も必要となります。

手続き方法については法務局のwebサイトにも記載がありますが、一人株式会社又は一人合同会社を設立する場合は、設立登記のほぼ大半の手続きをオンラインで申請することもできるようになりました。

会社設立する時の注意点

設立手順に従って登記することだけみれば、会社名・所在地・資本金・設立時期などを決めれば、意外と簡単に自分でできるかもしれません。

しかし、会社設立はスタートであって、継続していくことが大切です。会社設立前に考えておきたい注意点について解説します。例えば、資本金について考えてみましょう。会社設立の手続き上としては、資本金額はいくらでも問題ありません。

1000万円と申請すればそのまま手続きされます。実は、資本金が1000万円未満だと消費税は会社設立から2事業年度は免税となるのですが、資本金額を1000万以上で設立した場合は免除の特例が適用されません。

設立当初で費用をできるだけ抑えたい場合、このようなことも考えながら設立手続きをしていかねばなりません。また、法人住民税の均等割りは赤字でも支払う義務が生じます。消費税や住民税など、支払うべきお金が見えていないと、遅れてやってくる支払時に資金がショートしかねません。

会社設立前に入念な準備をすることが、会社継続への近道です

1.会社設立が今の段階で必要なければ、個人事業主からはじめて法人成りすることもできます。まず、会社設立のメリット・デメリットを考えて起業しましょう。

2.設立手続きは煩雑に見えますが、オンライン申請・Webサービスを活用・専門家に相談するなど、ご自身でできるかどうかと手間・時間を比較して選択することができます。

3.起業前の入念な準備が、想像もしていなかった費用や税金への対策になります。見込んでいる売上とかかる費用・準備すべき資産や資本だけでなく、資金繰りや税金についても考えてみましょう。

起業はゴールではなくスタートです。自分の想いやアイディアを具体化するために起こした会社を継続していくには、税金・資金繰りのための対処も、会社設立の段階で入念に計画することが必要です。

起業は準備の段階で6割が決まってくるともいわれています。事業を始める段階になれば、諸般の手続きで忙殺されるため、できる時間のあるうちに情報収集をしておくことが大切です。